夏休みの自由研究の午後

八月のある午後、窓の外では蝉の声がにぎやかに響いていた。
子どもは机に広げた自由研究の材料を前に、鉛筆を握りしめている。
テーマは「朝顔の観察」。
毎日つけたスケッチをまとめ、色紙に貼りつける大仕事だ。

その横で母は、このスツールに腰をかけて手を貸していた。
普段はリビングの片隅に置かれている小さなスツールだが、今日は机の横にぴたりと寄り添い母子を支える“特等席”になっていた。

クレヨンを走らせる小さな手が机に乗り出す。
スツールの高さがちょうどよく、母は横から紙を押さえてあげることができた。

作業が一段落すると、二人は並んでできあがった観察日記を見つめた。
「頑張ったね」
その言葉に、子どもの顔が誇らしげにほころぶ。

暮らしの中で、家具は大げさな役割を果たさなくてもいい。
このスツールは、夏休みの机の横で子どもの小さな挑戦を静かに支える存在だった。

“Morning Glory — 夏の日の小さな挑戦を支えるスツール。
朝顔のように、日々の暮らしに寄り添って咲く。”