「手をかけるたびに」

窓から差し込むやわらかな光の下で、家族が集うリビング。
マグカップを置き、本を広げ、子どものおもちゃや絵の具の跡さえもこのテーブルは静かに受け止める。

天板の中央を結ぶウォールナットの「ちぎり」は、木と木を繋ぎ止める力強さと、家族の絆の象徴のようにそこにある。
年月を重ねるほどに暮らしの跡と共にその存在感は深まっていく。

このテーブルの魅力は、無塗装で仕上げられたチーク無垢材。
塗装を施さないからこそ、木そのものの質感や香りを肌で感じられる。
汚れはつきやすいかもしれない。
けれど、その跡を消したり馴染ませたりできるのも無塗装だからこそ。
削る、磨く、手をかけるたびに木目は少しずつ艶を増し暮らしと共に表情を変えていく。

30年以上の時を生きてきたチーク材が、新たな年月を家族と共に重ねていく。
無塗装の素直な木肌は、暮らしの出来事をそのまま映し、やがて「家族の歴史を刻む舞台」となっていく。

“Trace”。
それは無塗装のチークが時間を刻み、
家族が残した無数の跡がひとつの物語になることを意味している。
どこで過ごしても、ここに戻れば思い出が迎えてくれる。