休日の午後。外遊びから帰ってきた子どもたちがランドセルや帽子をぽんと置き、リビングに転がり込む。
広げた画用紙や色鉛筆がテーブルを占領し、静かな午後が一気ににぎやかな時間へと変わっていく。

そんな賑わいのすぐそばにあるのが、このテレビボード。
かごめ編みの扉はやわらかな表情を浮かべ、部屋に軽やかなリズムを添えている。
雑誌やゲーム機をしまえば見た目はすっきりと整い、扉を閉じた瞬間にリビングはまた落ち着きを取り戻す。

気づけばボードの上には花瓶と写真立て、子どもの描いたばかりの絵が無造作に立てかけられている。
そこに置かれるものは日によって変わるけれど、どれも「家族の今」を映すものばかり。
編み目のやさしい質感が、それらを包み込み、暮らしの一部として静かに記憶していく。

このテレビボードは、ただの収納ではなく、休日の午後に刻まれる小さな物語をそっと受け止め、暮らしに安心と温かさを添えていくのだった

Drawing ― 家族の今を映し、日々の記憶を描きとめるテレビボード。